作曲・編曲

【最強】Acoustica Sound『El Ray2』をレビュー!【ガチで使えるプラグインシリーズ】

こんにちは!作曲家のカトウリョータです!

今回から【ガチで使えるプラグイン】を紹介するシリーズを始めます。

プロ作曲家として仕事をしている私カトウリョータが、
本当に使えるプラグインだけを厳選して記事にしていきたいと思います。

 

皆さん御存知の通り、プラグインは頻繁にセールをしていますよね。

つい「安いから」という理由で、本来なら必要のないプラグインを買ってしまいがちです。

心理学では「損失回避(=損をするのを極端に嫌がる人間の性質)」なんて言ったりしますが、 僕はこの性質にやられてたくさんのお金を無駄にしてきました。

 

このブログは過去の自分」に向けて書く、というのがテーマのひとつになっています。

過去の自分にとって、こんな情報が知りたかったんだ!と思えるようなシリーズになったらいいなと思っています。

無駄金を使わないで、ぜひ本当に価値のあるものだけを手に入れてくださいね。

今回はアコースティックサウンドのAcoustica Sound『El Ray2』をを紹介します。

ではいってみましょう!

Acoustica Sound『El Ray2』とは?

Acoustica Sound『El Ray2』はアナログコンプをモデリングしたコンプレッサープラグインです。

Adeleなどの有名アーティストのミキシングを担当し、グラミー賞も受賞しているミキシングエンジニア・Gerg Wellsらが監修しています。

Adele大好きな僕としてはこれだけで心がくすぐられますが、もちろん名前だけではありません。

アナログコントモデリングしたものは世の中に腐るほどありますか、
のEl Ray2のクオリティーは段違いだと思います。

前のバージョンが2023年7月にアップデートされ2になりました。

LRの設定を変えられるステレオver.も付属

『El Ray2』は1950 年代の王道リミッター・BA-6Aのモデリングコンプ

El Ray2はどんなコンプをモデリングしてるのでしょうか?

それはRCA BA-6Aと呼ばれるヴィンテージコンプです。

出典”Reverb

 

正直あまり有名ではないコンプだと思います。
Teletoronix LA-2AUREI 1176のほうが聞き覚えがありますよね。

元から名前を聴いたことのある人はよほどの機材マニアだと思います笑

BA-6Aは1950 年代の王道リミッター で、最初はテレビとラジオの放送用に作られた機材だったそうです。

しかしシンプルな操作性と音が素晴らしいと評判になり、レコーディングエンジニアがこぞって使用するようになりました。
現在でもBA-6Aは重宝され、世界中の様々なプロスタジオで使用されています。

Acoustica Sound『El Ray2』は何がすごいのか?

ではEl Ray2は何がそんなにすごいのでしょうか?

一言でいうと、

「高級アナログ機材の良さが再現されている=通すだけで音がなぜかいい感じになる」

ということにつきます。

 

アナログモデリングのプラグインは無数にありますが、
アナログっぽさ」を感じることができるプラグインはあまり多くないです。

アナログっぽさは言語化するのがむずかしい感覚なのですが、「シルキーな感じ」「音がなじむ感じ」などと例えられます。

僕の感覚だと、「水彩絵具だけで書いていた絵に油絵具が登場したような感覚」がします。

画材そのものが変わったような、なんとも言えない感覚です。

 

El Ray2はそのアナログっぽさがめちゃくちゃ感じられるプラグインです。

コンプ単体としてはもっと使い勝手がいいものはたくさんありますし、僕自身使い切れないほどもっています。

そしてなんと価格が269ユーロ!(202307のレートで約42000円)
普通なら買うのを躊躇してしまいます。

(※202307現在イントロセールで99ユーロになっています。)

Acustica Audio
https://www.acustica-audio.com/shop/products/ELREY

 

しかしデモってみて、「これは買いだな」と思ってしまいました。
それほど衝撃的なクオリティだったわけです。

Greg Wellsも絶賛しています(ポジショントークではありますけど笑)。24:00~。

Acoustica Sound『El Ray2』のサウンド

では実際にサウンドを聴いてみましょう!

まずはドラムからです。 Greg Wellのプリセット「Mix Bus」を使用し、ゲインリダクションは-1bd前後にしました。

El Ray2なし


El Ray2あり

ありのほうが音が太くなっているのがわかるかと思います。

まさにアナログサチュレーションといった感じですね。

 

次にボーカルです。 Dave Pensadoのプリセット「Lead Vocal」を使い、ゲインリダクションは-2bd前後にしました。

El Ray2なし

 

El Ray2あり

Spliceのガッツリ処理済みのサンプルを使ったのですこし分かりにくいかもしれませんが、 滑らかでシルキーな要素が足されていると思います。

有名エンジニアがこぞって使っている

El Ray2はさまざまなエンジニアが使っていますが、中でも僕が参考にしているのはJaycen Joshua(BTS,クリス・ブラウンなど)のボーカルバスでの使い方です。

2:36〜でEl Rayを絶賛しています。言い方にちょっとびびります笑

使い方としては、バスにさしてほんの少しリダクションさせるようなイメージ
まさに「通すだけ」って感じです。

このYoutTuberがより詳しく解説しているので、気になる方は参考にしてみてください!

まとめ

さていかがだったでしょうか? 今回は、アナログコンプをモデリングしたコンプレッサープラグイン、Acoustica Sound『El Ray2』を紹介しました。

最後のポイントをまとめますね。

  1. 【Acoustica Sound『El Ray2』の特性】:このプラグインは1950年代の王道リミッター、BA-6Aのモデリングコンプです。そのシンプルな操作性と素晴らしい音が特徴で、現在でも多くのプロスタジオで活用されています。
  2. 【どこがすごいのか】:El Ray2のすごさは、「高級アナログ機材の良さが再現されている=通すだけで音がなぜかいい感じになる」ことです。アナログっぽさがダイレクトに感じられます。
  3. 【価格は?】:価格は269ユーロですが、2023年7月現在のイントロセールで99ユーロになっています。
  4. 【サウンドの違い】:実際に音を比較すると、El Ray2を使用した方が音が太く、アナログサチュレーションといった感じになるのがわかります。
  5. 【有名エンジニアも使っている】:Jaycen Joshuaのような有名エンジニアもこのプラグインを使用しており、その使い方は「バスにさしてほんの少しリダクションさせる」程度です。つまり、通すだけで効果が現れるというわけです。

以上がAcoustica Sound『El Ray2』の特長と使い方の概要です。
無駄な出費を避け、本当に価値あるツールだけを選ぶための参考にしていただければ幸いです。

それでは!